ベーキングパウダーの危険性と害(大人・子供・赤ちゃん)
ベーキングパウダーの危険性は…
ベーキングパウダーは、19世紀末にドイツで商品化されたレガシーな食品添加物です。加熱によって二酸化炭素を発生する重曹(炭酸水素ナトリウム)が主成分であり、パン・菓子類の小麦の生地をふくらませる膨張剤として使われ、ふくらし粉とも呼ばれています。現在、日本の大部分のパンはパン酵母によって膨張させていますが、メロンパンなどの一部の菓子パンではベーキングパウダーが用いられています。また、スポンジケーキ・クッキーなどの焼き菓子、ドーナツのような揚げ菓子、蒸しパン・饅頭などの蒸し菓子では、大変よく使用されています。
大人への害は? アルツハイマー病とは無関係。
ベーキングパウダーには、主原料の重曹以外にも多数の化合物とでんぷん(主にコーンスターチ)が混合されています。その化合物の中に焼きミョウバン(無水の硫酸カリウムアルミニウム)が含まれており、それによって摂取されるアルミニウム成分がアルツハイマー病の原因物質であると疑われていました。しかし、アルミニウムの人体への影響について未解明の部分が多いとは言え、アルツハイマー病のアルミニウム原因説はすでに否定されています。
子供・赤ちゃんへの害は? 幼児には有害かもしれない。
ベーキングパウダーに含まれる焼きミョウバン由来のアルミニウムに関して、2013年、厚生労働省が都道府県とパン・菓子業界の団体に対して事実上の警告と使用量低減を要請しました。国連の世界保健機関(WHO)などがアルミニウムの許容摂取量を定めていますが、厚生労働省が日本人の加工食品・生鮮食品からのアルミニウム摂取状況を調査した結果、幼児(1~6歳)において、パン・菓子類の過食傾向がある子供(幼児全体の約5%)ではWHOなどの許容摂取量を超える可能性のあることが判明したためです。
健康な人へのアルミニウムの有害性については実証されていませんが、ラットの実験では大量投与による腎臓・膀胱などへの影響が認められたそうです。年齢にかかわらず、普通の食生活を送っている人には、アルミニウムの過剰摂取は起こり得ないはずですが、幼児でパンやお菓子を食べ過ぎる場合には、ベーキングパウダーを使用した商品の摂取を控えた方が良いでしょう。
一般的にベーキングパウダーは安全な食品添加物です。
ただし、幼児のパンとお菓子の食べ過ぎには注意。
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