塩素系漂白剤の危険性と害(大人・子供・赤ちゃん)
塩素系漂白剤の危険性は…
家庭用の塩素系漂白剤は、強い漂白作用と殺菌作用がある次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした衣料用・台所用の液体漂白剤です。その作用は一般に酸素系漂白剤よりも強力ですが、独特の強い臭い(塩素の臭い)があることと脱色作用があって白物衣料にしか使えないことから敬遠されるようになり、酸素系の液体漂白剤の普及とともに商品の数を減らしていきました。しかし、1996年の O157食中毒事件以来、その強力な殺菌力が見直され、現在も家庭用漂白剤としての一定のニーズを保っています。
大人への害 酸性の物質と反応して塩素ガスを発生
塩素系漂白剤(アルカリ性)を一般の衣料用洗剤(弱アルカリ性・中性)といっしょに使用しても危険性はありません。しかし、トイレ用洗剤(酸性)や酸性の風呂用洗剤を混ぜると、激しく反応して塩素ガスを発生します。塩素ガスは、致死性の危険な毒ガスです。国内でも過去には浴室の掃除などで死亡事故が発生しています。また、酸性の洗剤だけでなく、嘔吐物や食用酢を拭いた布に対して塩素系漂白剤を使用した場合も、胃酸や酢酸と反応して塩素ガスを発生する場合があります。
なお、塩素系漂白剤は肌荒れを引き起こしますので、使用するときはゴム手袋をした方が安心です。塩素系漂白剤を混ぜた水が手や腕に付いたときはすぐに水道水で洗い流し、原液が付着した場合は、普通の石鹸や液体石鹸(すべて弱アルカリ性)を使って丁寧に洗い流してください。
子供・赤ちゃんへの害
洗濯のときに塩素系漂白剤を使用した衣類やシーツなどに塩素が残留し、それによって皮膚の炎症など健康障害が発生したという事例は見当たりません。浸け置き漂白をしたときには、臭いの強さから残留塩素が気になるでしょうが、洗濯して十分なすすぎを行えば、臭いは残っても健康上の問題はありません。
塩素系漂白剤と酸性の物質・液体は絶対に混ぜない。
洗濯機で衣料用洗剤といっしょに使っても安全です。