ヌートリアの危険性と害
ヌートリアの危険性は…
巨大なネズミが大繁殖。人的被害も各地で発生…そんなニュースを既に見聞きした人も多いことでしょう。このネズミは正式には「ヌートリア」といいます。
ヌートリアは特定外来生物に指定されており、南アフリカ原産の大型齧歯類です。本来は日本には存在しないはずのヌートリアですが現在では日本各地で繁殖し始めており、人に噛み付くといった被害の他、日本在来種に対する生態系の破壊、姫路城等の文化遺産に対する被害などが発生しています。
ヌートリアは体長50センチ、尻尾まで含めると90センチ、体重5キロ以上にもなり小さな子どもなどは複数のヌートリアに襲われた場合致命傷を受けることも考えられます。
ヌートリアは元々はその毛皮を加工するために日本に持ち込まれたようですが、一部が逃げ出し野生化、そして繁殖してるのです。
ヌートリアの生息地とは
ヌートリアは半水棲ですから川や沼、湖の近くに生息している事が多いようです。ただし、最近では都市部でも発見されていることから下水道などにまでその生息域を拡大していると考えられます。
これからのシーズンは川や湖に遊びに行く人も多いかもしれませんが、水そのものに対する警戒だけでなく、ヌートリアに対する警戒も必要となります。ヌートリアの歯及びアゴは非常に強力であり、子供の指などは一発で噛みちぎってしまう程です。
ヌートリアの被害状況と対策は?
現状、ヌートリアは西日本中心に広がっており、人が噛まれるといった被害の他に、ヌートリアが巣を作る過程で水田や堤防が破壊されるといった被害が起きています。少し古いデータにはなりますが、兵庫・島根・岡山県では特に被害額が大きく、2005年度には4500万円を超える被害額となっています。
農林水産省によると、岐阜県岐阜市では大規模な捕獲作戦が展開され、地元の猟友会も作戦に協力したとのことです。結果として200頭以上の捕獲数があったものの被害の収束には度遠く、今後も自治体、個人、企業含めて警戒にあたる必要があるようですね。
ヌートリアは人間に対する攻撃性、建築物や水田等に対する破壊性、そして生態系に対する危険性と様々な面で厄介者と言わざるを得ません。我々の身近に潜む危険生物としてはかなり高いレベルの警戒が必要となります。