ボタン電池の危険性と害
ボタン電池の危険性は…
ボタン電池は乾電池の一種ですが、円筒形の単1~単6や箱形の9V形を除いた円形の小型電池のことです。家庭では電卓・腕時計・電子体温計など多彩な小型精密機器のほか、パソコンのマザーボードにも使用されています。メーカーの多くは、直径がワイシャツのボタン程度しかないものを「ボタン型電池」と呼び、上着のボタンのように比較的大きく扁平なものを「コイン型電池」と呼び分けています。ボタン電池は、それらを総称した一般的な呼び名です。
現在、一般に多用されているボタン電池には、その材質・構造からリチウム電池・酸化銀電池・アルカリ電池の3種類があります。いずれも小さく丸い形状をしていて飲み込みやすいため、乳幼児の誤飲事故が珍しくありません。また、ボタン型は特に小粒であるため、鼻や耳の中に入れてしまうこともあります。誤飲や鼻・耳に入れたときの体への影響は、ボタン電池の種類によって異なります。
アルカリ電池の人体への影響
単1~単6電池と同じアルカリマンガン電池を小型化したものです。サイズは直径11.6mmのものが多く、比較的に飲み込みやすい大きさです。電圧は1.5ボルトとけっして高くなく、従来型のマンガン電池よりも自己放電しにくくなっていますので、放電による体への影響はほとんどありません。危険なのは、体内で金属製容器が腐食し、電解液の水酸化カリウムが漏れ出した場合です。水酸化カリウムは強いアルカリ性であるため、内臓の組織に潰瘍を引き起こします。特に電池が胃にとどまった場合は、胃液によって腐食しやすくなります。ただ、金属製容器が腐食して電解液が漏れ出すまでにはある程度の日数を必要としますので、子供が誤飲しても慌てずに病院で処置してもらいましょう。
酸化銀電池の人体への影響
酸化銀電池のボタン電池は、直径が最大11.6mmから最小4.8mmまでと多彩なサイズがあります。厚さは、もっとも厚いものが5.4mmですが、最薄の製品ではわずか1.65mmしかありません。極めて小さいことと優れた電気的特性から、腕時計・電子体温計・カメラ周辺機器などに多用されていますが、子供がもっとも飲み込みやすく、鼻や耳にも入りやすいサイズです。自己放電しにくい電池であり、放電による体への影響はないと思われますが、体内での腐食による強いアルカリ性の電解液(水酸化カリウム、または水酸化ナトリウム)の液漏れは危険です。保管には細心の注意を払ってください。
リチウム電池の人体への影響
ボタン電池でもっとも普及している扁平なコイン型の電池です。電圧が3.0ボルトと高めであり、電気容量が大きくて長寿命、内部抵抗による電圧降下が少ないなど、優れた特性を兼ね備えているため、多彩な電子機器に使用されています。直径20mmのものが主流で、厚さの異なる各種タイプや直径16mmから10mmまで複数のサイズが揃っています。ボタン型と比べて大きめであるため、飲み込むのはむずかしそうに見えますが、実際には幼児による誤飲事故が少なからず発生しています。
しかも、大きめであるために食道や胃・腸管などにとどまりやすく、その場合、放電によってマイナス極端子の表面に生成されたアルカリ性の液体により、組織の潰瘍が発生します。この現象は、比較的に短時間で起こり、放電がつづく限り持続して潰瘍が進行します。電池の誤飲事故の中でもっとも危険な事故です。子供の誤飲に気づいたときには、ただちに内視鏡によって電池が摘出できる病院(小児外科が最適)を受診してください。
子供によるボタン電池の誤飲に厳重注意を。
リチウム電池を誤飲したら、即、病院へ。
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