アスベストの危険性と害

スポンサードリンク
アスベストの危険性と害

アスベストの危険性は…

害・危険性レベル4「危険」

アスベストは、均一な化学組成と繊維状の結晶構造をもつ天然の鉱物繊維です。和名を石綿(いしわた、せきめん)といい、各種石綿のなかでも使用量のほとんどを占める白石綿は、見た目も手触りもまるで綿のようです。しかし、その繊維を電子顕微鏡で見ると、カールした長い繊維状の結晶が数多く束ねられて絡み合っているような形状をしています。しかも、繊維状の結晶は、特異な管状の中空構造をしています。そのため、アスベストは軽量断熱性に優れた素材です。また、耐久性耐熱性耐アルカリ性絶縁性にも優れ、他の素材と混ぜ合わせるときの親和性も良い上に安価であったため、工業製品の材料や建設資材として広範かつ大量に用いられてきました。

アスベストがもっとも大量に用いられたのは、ビル・マンションや工場などの建設現場だと思われます。1950年代から75年まで、鉄骨造建築物の軽量耐火被覆材としてセメントとアスベストを水で混ぜて吹き付ける工法が一般に普及しました。75年に吹き付けアスベストが原則禁止となり、アスベストの代替品としてロックウール(人造鉱物繊維)が使用されるようになりましたが、80年代までアスベストも混入した吹き付けロックウールが使用されていたようです。また、ビル・工場の機械設備や配管などの断熱材耐火被覆材としても、板状・筒状・帯状などのアスベストが大量に使用されました。

アスベストは、ひとり建設・土木の現場だけでなく、私たちが日常的に使用する家電製品なども含めて、実に多彩な工業製品に使用されてきました。従って、家庭や学校でも、あらゆる産業分野や業種でも、アスベストは大変身近な存在でした。

スポンサードリンク

アスベストは肺癌・中皮腫の原因となる発癌性物質

アスベストは、電子顕微鏡を使わなければ見れないほど微細な繊維状の結晶です。撚り合わされているアスベストがほぐされて単体の結晶として空中に浮遊すると、それを吸引することで健康被害を引き起こす危険性があります。ただし、鉱物としての毒性はなく、その微細な繊維状の形態に原因があると考えられています。

アスベストが原因の病気としては、悪性中皮腫(胸膜・腹膜・心膜の癌)、肺癌アスベスト肺(塵肺の一種)などがあります。いずれも潜伏期間が大変長く、アスベストを吸引してから20年~40年後に発症すると言われています。

今も残るアスベストを使用した建造物と工業製品

現在、国内では、吹き付けアスベストは行われていません。また、研究目的などを除き、アスベストの製造・輸入・販売・使用が一切禁止されています。しかし、アスベストを使用した古い建造物や工業製品は、現在も数多く残されています。

それらのアスベストは、建物や製品の内部で安定した状態を保っていれば危険性がないように思われます。しかし、破損や解体・修繕によって露出した場合、その建物や製品を使用している人や解体・修繕の作業に当たる人がアスベストの繊維を吸引する危険性があります。また、建物の解体作業などで大量の粉塵に混ざってアスベストが飛散した場合には、周辺住民への健康被害の恐れがあり、さらにアスベストが付着した作業着のクリーニングを担当する業者も吸引する危険性があります。アスベストが使用されている現場や古い製品の安全管理と飛散させない対策が大切です。

アスベストは、危険な発癌性物質です。
古い建物や製品の中に今も残存しています。

スポンサードリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ