王水の危険性と害
王水の危険性は…
王水は、濃硝酸と濃塩酸を 1 : 3 の体積比で混合して生成される液体です。極めて強い酸化力があり、銀・タンタル・イリジウム以外のすべての金属を溶解し、金属化合物に変えることができます。大学・研究機関などでの実験用のほか、貴金属回収業者による貴金属の溶解や、希釈液によるガラス器具・半導体回路などの洗浄のために使用されています。
王水の危険性
塩素ガス・硝酸ガスの発生
濃硝酸と濃塩酸を混合するときに生成される塩素や、保存した王水に含まれる塩素が気化し、毒性の強い塩素ガスが発生します。また、濃硝酸が気化した硝酸ガスは呼吸器に有害であり、頻繁に吸入することで肺気腫などの呼吸器系疾患の原因ともなります。王水を生成・使用するときは、換気に十分な配慮が必要です。
強い酸による化学熱傷
王水は酸化力が極めて強いため、体に付着すると重度の化学熱傷を引き起こします。王水を使用するときには、肌の露出を抑え、王水に対して耐性のある手袋とゴーグルを着用しましょう。
王水を廃棄するときは廃液処理業者に
王水は、「毒物及び劇物取締法」で劇物に指定されています。たとえ小型の容器であっても、ボトルやタンクに入れた王水は、廃液処理業者に回収を依頼しなければなりません。
王水は非常に危険ですから、取り扱いは慎重に。
廃棄のときもルールに則って処理してください。