お正月の餅の危険性と害
お正月の餅の危険性は…
お正月のご馳走といえば、おせち料理と並んで欠かせないのがお雑煮です。普段、餅を口にしない人でも、一年で一度はお雑煮で餅を食べるはずです。地域によっては、善哉に焼き餅を入れます。安倍川餅も全国的に人気があります。鏡開きの日まで、餅三昧の毎日という家庭が多いことでしょう。
しかし、餅をのどに詰まらせる事故には十分注意してください。餅は粘着力のとても強い食べ物です。火にあぶったり煮たりすると柔らかくなり、飲み込みやすくなったように感じますが、その粘着力はやはり強力です。また、焼き餅でもお雑煮でも、加熱した直後の熱々のときより、少し冷めて食べやすくなったときの方が粘着性は高くなり、のどに詰まりやすくなります。
1月には餅をのどに詰まらせることによる窒息事故が急増します。患者のほとんどが65歳以上の高齢者です。食べ物を飲み込む力の衰えがその原因と考えられます。高齢者が餅を食べるときは、少しずつ、よく噛んで食べるように心掛けましょう。
餅による窒息事故の実態
東京消防庁の管内では、2009年から2013年までの5年間に、合計586人が餅・団子類による窒息事故で救急搬送されました。年別に見ると、最多の2009年127人から最少の2010年102人まで、毎年ほとんど同じ人数です。月別では、年間を通して毎月事故が発生していますが、1月の搬送数が際立って多く、5年間で227人、全体の約39パーセントを占めています。お正月の餅による事故であることが歴然としています。
この統計結果では、60歳未満で餅・団子類による窒息事故で救急搬送された人数はごくわずかです。60代以上で窒息事故の危険性が急激に高まっていくことがよく分かります。なお、救急搬送された人の約71パーセントは、入院を必要とする重症患者と病院で死亡が確認された患者でした。餅をのどに詰まらせることによる窒息は、大変危険な事故です。
餅による窒息事故は、飲みこむ力の衰えが原因。
高齢者は、少しずつ、よく噛んで食べましょう。