パック型液体洗濯洗剤の危険性と害

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パック型液体洗濯洗剤の危険性と害

パック型液体洗剤の危険性は…

害・危険性レベル3「厳重警戒」

パック型液体洗剤という名称は、消費者庁国民生活センターで使用されている商品種類名です。一般には、メーカーが名付けたジェルボール型洗剤というキャッチフレーズ的な呼び名のほうがよく知られていると思います。洗濯機1回分の量を水溶性フィルムのパックに封入した高濃度の液体洗剤で、日本では2014年4月に P&Gジャパンが販売を開始しました。2016年8月現在でもパック型液体洗剤を販売しているのは P&Gジャパン 1社であり、国内有力メーカーの花王ライオンは発売していません。

パック型液体洗剤_by_消費者庁

パック型液体洗剤による乳幼児の事故が多発

パック型液体洗剤は、洗濯機にジェルボールを1個つまんで入れるだけという手軽さが受けて人気が出たようです。しかし、消費者庁が把握した事故情報では、発売から2015年1月までの10ヶ月間に、パック型液体洗剤による誤飲などの事故が全国で152件も発生しました。その内、年齢別では3歳以下の乳幼児の事故が際立って多く、全体の 72%を占めています。また、被害の内容では「口に入った、飲んだ」が 68%、「目に入った」が 30%でした。以下にその実例を紹介します。

乳幼児の事故 ①  1歳男児の誤飲事故

高さ約1メートルの棚に置いてあったパック型液体洗剤の箱から子供が1個取り出し、遊んでいる内に飲み込む。気づいた母親が指を差し込んで取り出し、牛乳を飲ませてから病院を受診した。

乳幼児の事故 ②  3歳女児の目に洗剤が入る事故

子供がパック型液体洗剤を握ったら破裂し、飛び出した洗剤が目の中に入る。急いで水で洗い流し、病院を受診した。

乳幼児の事故 ③  4歳男児の誤飲事故

洗濯機の横60センチの高さに置いてあったパック型液体洗剤を子供がかじり、洗剤が出て口の中に入る。口の中の痛みから子供が泣き出し、母親がすぐに吐き出させて口をゆすがせた。

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パック型液体洗剤はいつも子供の手の届かないところに

パック型液体洗剤による事故の多発は日本だけの現象ではなく、世界各国で年間16,000件以上も発生し、アメリカでは2013年に 0歳児の誤飲による死亡事故さえ起きています。2015年には、日本も含めたOECD加盟国とEC諸国によるパック型液体洗剤の安全な使用を訴える国際啓発キャンペーンも実施されました。パック型液体洗剤は、子供の手がけっして届かない高いところに保管し、使用するときは片時も洗剤から目を離さず、洗濯機に投入したらすぐに箱をもとの場所にしまいましょう。

国際啓発キャンペーンポスター2015

洗濯洗剤カプセル/パケットに関する国際啓発キャンペーンポスター(2015)

パック型液体洗剤の体への影響と事故のときの対処法

パック型液体洗剤_3歳児の手_by_消費者庁パック型液体洗剤を子供が手で握ったり口に入れたりしただけでフィルムが簡単に破れることは、国民生活センターの商品テストによって確認されています。内容物の液体洗剤は中性ですが、水分量を極力少なくした高濃度であるため、誤飲や目に入ったときの体への影響は一般の液体洗剤よりも強いようです。誤飲した場合には嘔吐を繰り返すだけでなく呼吸障害意識レベルの低下も見られ、目に入った場合には角膜損傷を起こします。

誤飲したときは

口の中に残っている洗剤やフィルムを静かに拭い取り、うがいができる子供は水を口に含んですすいでください。その後で牛乳または水を少量飲ませ、すぐに総合病院の救急外来か近所の小児科・内科病院を受診してください。なお、指をのどに差し込んで無理に吐かせるようなことはしないでください。嘔吐物が気管に入るとさらに危険です。

洗剤が目に入ったときは

すぐに洗剤を水で洗い流さなければなりませんが、慌てずに10分以上の時間をかけて丁寧に洗ってください。ただし、蛇口やシャワーノズルからの強い水流を眼球に直接当てたり、手やタオルで目を強くこすったりはしないでください。角膜をさらに損傷する可能性があります。洗眼が終わったら、顔の周囲に付着している洗剤を濡れタオルで丁寧に拭き取り、急いで眼科医を受診してください。なお、診察のときには、目に入った洗剤の種類(商品名)を正確に医師に伝えてください。

乳幼児は洗剤とお菓子やおもちゃとを区別できません。
パック型液体洗剤は子供の手の届かないところに。

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