ヘアカラーリングの危険性と害
ヘアカラーリングの危険性は…
ヘアカラーリング剤には、大別して染毛剤(医薬部外品)と染毛料(化粧品)の2種類があります。ヘアマニキュアやカラートリートメントなどの染毛料のほうが髪を傷めず手軽に使えますが、色落ちしやすいという弱点があります。そのため、家庭用でも美容院・理容室での業務用でも、色落ちしにくい染毛剤がもっとも多く使われています。
染毛剤は、ヘアブリーチなど一部のものを除いて酸化染毛剤が主流であり、商品種類名としてはメーカーによってヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染め、アルカリカラーなどと呼ばれています。酸化染毛剤とは、酸化剤(主に過酸化水素)に反応して発色する酸化染料を使用した染毛剤のことです。酸化剤には毛髪のメラニン色素を分解する作用があり、それによって脱色しながら、同時に髪の内部に浸透した染料を酸化して発色させ、色を定着させます。髪を傷めやすいという欠点がありますが、暗い色から明るい色まで使用範囲が広い上、色持ちが良いことから、ヘアカラーリング剤の主流になっています。
酸化染毛剤によるアレルギー性接触皮膚炎に注意
酸化染毛剤の主成分である酸化染料としてはパラフェニレジアミンを始めとして数種類の化学物質が使用されています。それらはいずれもアレルゲン(アレルギーの原因物質)となり得ることが判明しています。
酸化染毛剤のアレルギー症状は、染毛剤が皮膚に付着することによる接触皮膚炎として現れるかぶれ症状です。以下のような自覚症状が見られます。
① 頭皮に痒みや痛みを感じ、赤い湿疹が現れる。
② 進行すると患部に水疱ができ、さらに体液が滲み出てくる。
③ さらに進行すると、頭皮からの滲出液が顔面にまで垂れてくるようになり、脱毛も見られる。
また、発症部位が顔面にまで拡大して赤く腫れ、首筋にも斑点状の湿疹が現れる場合がある。
消費者庁の事故情報データバンクには、このような酸化染毛剤によるアレルギー性接触皮膚炎の事故情報が、未確認のものも含めて毎年200件前後も報告されています。
アレルギー性接触皮膚炎を防ぐために
アレルギーは、体内に入った特定の物質に対して抗体が生成されることにより発症の条件が整います。以後、同じ物質が再び体内に入ると、それがアレルゲンとなって抗原抗体反応が起き、アレルギーを発症します。そして、このアレルギー体質は長期間にわたって持続します。また、長年異常なく使用してきた酸化染毛剤であっても、あるとき突然にアレルギーを発症することがあり、いったん発症するとその体質もまた長く継続します。
従って、酸化染毛剤で痒み、痛み、皮膚の発赤などの異常が見られたときは、その染毛剤がすでにアレルゲンとなっている可能性がありますので、直ちに使用を中止してください。その上で、専門医を受診して皮膚アレルギー検査を受け、皮膚の異常がアレルギー性接触皮膚炎によるものか、あるいはアレルギーと無関係な刺激性接触皮膚炎であるのか確定してください。いずれにしても、異常が起きた酸化染毛剤はもう使用できません。もしアレルギー性であることが判明したら、同じ酸化染料を使用している他社製品も使用できません。使用を中止せずに使い続けると、完治までに1ヶ月以上を要するほど重症化します。
なお、現在、国内で販売されている酸化染毛剤に対しては、使用説明書で「ご使用の際には使用説明書に従い、毎回必ず染毛の48時間前に皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をして下さい」という内容の警告表示が義務づけられています。パッチテストを自分で行う詳しい方法については各メーカーのホームページでも説明されていますので、気になる人はぜひ試してください。
酸化染毛剤は、アレルギー性接触皮膚炎に要注意。
気になる人は、まず自分でパッチテストを。
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